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12月5日(金) ブランドX/BRAND X - ロンドン/LSE 

ロビン・ラムリィ/Robin Lumley  (kybds.
パーシィ・ジョーンズ/Percy Jones   (bs.
ジョン・グッドソール/John Goodsall   (gtr.
フィル・コリンズ/Phil Collins  (drms., Percussion

BrandXTicket

 ジェネシスのフィル・コリンズがブランドXと言うバンドを結成し、そのロンドン・デヴュー・ギグが行われると発表されたのは実にコンサート前日だった。
 LSE(LONDON SCHOOL OF ECONOMICS)はロンドンに点在するロンドン大学の経済学部で、そこの学生組合が主催する金曜日のロック・コンサートに急遽出演が決まったのだ。ブランドXは翌年の1月から正式なコレッジ・ツアーが予定されていて、このLSEの他2~3カ所で行われた12月のギグはそのウォーム・アップ・コンサートの意味合いもあった。
 メムバーの中ではフィル・コリンズが一番名前が売れているので、ブランドXは彼のバンドという風に言われているが、メムバーそれぞれが様々なアルバムのセッションで顔を合わせている内に意気投合してバンド結成に至ったらしい。この頃のコリンズはピーター・ゲイブリエルがジェネシスを脱けた後、彼に代わるヴォーカリストとして活動し始めた時期で、彼のドラマーとしての一面を他のバンドで思いっきり発散させたかったのかも知れない。
 サウンドはインストゥルメンタル中心のジャズ/ロックで、翌76年にはファースト・アルバム「異常行為」がリリースされている。
 とにかく元どこそこのバンド出身とは言うものの、メムバー全員がセッションで鍛えたミュージシャンばかりなのでサウンドも悪いわけがない。結成されたばかりだし、それぞれがのびのびと自由にプレイしている。
 キーボードのラムリィは元ディヴィッド・ボウイのバック・バンドであるスパイダーズ・フロム・マースのメムバーと云うよりジャック・ランカスターと共演した「マースケイプ」のキーボード・プレイヤーといった方が分かりやすいかも知れない。このアルバムにはブランドXのメムバー全員がセッションで参加している。ベイスのジョーンズはブライアン・イーノのアルバムでフレットレス・ベイスを弾いていたし、グッドソールはアトミック・ルースターのギタリストだった。そしてコリンズは言うまでもなくジェネシスのドラマーだ。
 この夜の聴き所は何と言ってもゲストでビル・ブラッフォードがステイジに現れた事に尽きる。
 ジェネシス・サウンドに組み込まれたドラミングでは無く、トコトコ、パタパタと楽しげにドラミングするコリンズを見て聴いているだけでも面白いなと思っていた所、「ブラッフォード!」の呼び声と共に本人が現れたのには実に驚いてしまった。そして始まったパーカッション/バトル!コリンズとブラッフォードがお互いのタイミングを取りつつドラミングの合間にハンド・ベル、トムトム、グロッケンシュピール、チャイニーズ・ゴング、シンバル等絡ませていく。もう誰も止められないパーカッションの掛け合い。他のメムバー等も演奏についていけなくて早々にプレイを止めステイジの端に寄り2人の緊迫した演奏を腕を組んで見守っていた。それにしてもパーカッションだけでこれほど緊張感溢れるスリリングなプレイが聴けるなんて思いもしなかった。やはり本物のテクニックを持ったミュージシャンの演奏は凄いと改めて思い知らされたブランドXのコンサートだった。
 この頃のブラッフォードはクリムズンのメンバーで有ると同時にこのブランドXやナショナル・ヘルス、UK、自分のバンドのブラッフォード、アースワークス等、神出鬼没の活躍をしていたのだが、彼自身の演奏はさらにジャズに傾倒していったように思う。にしても、彼の乾ききったカンカン・ドラムはカンタベリィ系の金属的な無機質な音を得意とするキーボード・サウンドと程好くマッチしていると思う。つまりヘルスのデイヴ・ステュワートの弾くキーボードとブラッフォードの組み合わせが一番しっくり合っているように私には思われるのだが…。実際ブラッフォードのソロ・アルバムにはステューワートが参加しているものが多い。
 このLSEコンサートの翌日には、ロンドン郊外のセントオルバンスで、そして22日には再びロンドンのマーキー・クラブでギグが行われたのだが、その日には残念ながら、もう私は日本へ帰る飛行機の中に居た。
 ブランドXはその後当然ながら「ライヴ・ストック」、そして元サントレイダーのパーカッショニスト、モリス・パートを加えての「モロッカン・ロール」と徐々に人気を博していたのだが、77年コリンズがジェネシスに専念する為に脱退してしまった。「マスク」発表時にはモリス・パートと共にサントレイダーのメムバーだったピーター・ロビンスンを加入させ演奏活動を続けていたのだが、82年にはとうとう解散してしまった。ところが、90年代半ばになってラムリィ、グッドソール、パーシィが集まってブランドXを再結成、またコリンズ在籍中のライヴ・テープ等を収録したアルバムがリリースされたりして、今またブランドXが再評価されているようだ。
 コリンズも95年にはジェネシスを辞めているのだし、そろそろポップスの帝王の座から降りてその卓越したドラミングを再び聴かせてもらいたいものだ。

BrandX TourProgramme
1978年秋に行われたツアーのプログラム。ちなみに、この時の対バンはピーター・ハミルでした。
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