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11月9日(日) ジャンーリュック・ポンティ/JEAN-LUC PONTY - ロンドン/ラウンド・ハウス 

ジャンーリュック・ポンティ/Jean-Luc Ponty (vi., kybds.
ダリル・ステューマー/Daryl Stuermer  (gtr.
トム・フォウラー/Tom Fowler   (bs. , gtr.
ノーマン・フェリントン/ Norman Fearrington (drms.
マイク・ウォルフ/Mike Wolf  (kybds.

Ticket JLPonty

 この日のトリはハードロック・バンドのエドガー・ブロウトン・バンドだが、その前にジャンーリュック・ポンティが出るので、彼の演奏を目当てに聴きに行った。
 ジャンーリュック・ポンティは、ロック・ファンには、フランク・ザッパやマハヴィシュヌ・オーケストラのヴァイオリニストとして名が知れていると思うが、元々はパリでクラシック・ヴァイオリンの教育を受けてオーケストラで演奏していた人だ。その後ジャズに興味を持ち、渡米してからは独自のフリージャズ・バンドを作ったりフランク・ザッパやマハヴィシュヌ・オーケストラで演奏したりと、中々興味深い経歴を持っている。この年の始めにマハヴィシュヌ・オーケストラを辞めてからはソロ・アルバムを録音していて、今夜のライヴはそのアルバムをフィーチャーしているはずだ。
 42年生まれというから、この年33才になるはずだが、つぎはぎのオーバーオール・ジーンズがとても良く似合っているインテリジェンス漂うハンサムなお兄さんだ。ロック・バンドを従えて、彼のヴァイオリンは流れるようにイムプロヴァイズしていく。曲によっては少々やり過ぎと思われる程、足下のワウワウ・ペダルやエコープレックス・マシンを多用しているのだが、それでも気品のある音は保たれているのは流石だ。
 ジャズ・ヴァイオリンで有名なのはステファン・グラッペリだが、彼の演奏は長年共演していたジプシー・ギタリストのジャンゴ・ラインハルトの影響を受けたジプシー・ヴァイオリンといった方が判り易い程、ジャズから映画音楽、果ては民族音楽までを自在に取り込んだとても楽しいチューンを創りだしていた。97年末、89才で亡くなるまで、様々なミュージシャンに影響を与え、精力的に演奏活動をしていたが、ポンティもずっと憧れていた彼と共演したアルバムを数枚残している。また、しばらくソフト・マシーンでプレイし、今はジャズ・ギタリストとして活躍しているジョン・エサリッジも、ソフト・マシーン在籍中からグラッペリのツアー等に参加し、アルバムも数枚録音しており、彼の死後、グラッペリに捧げるアルバムまで制作している。
 グラッペリがなんの偏見も無く総ての音楽を吸収し独自の音楽を編み出したように、ポンティも狭い枠に捕らわれずに色々な事に挑戦しているミュージシャンだ。この日もヴァィオレクトラという5弦の新しいエレクトリック・ヴァイオリンを曲によって弾き分けていた。この楽器はヴァイオリンからチェロまで幅広い音が出せるそうなのだが、チューニングが難しいらしく使っている人はまだ数人しか居ない様で、ポンティでさえかなり慎重にチューニングを繰り返してから演奏に入っていった。しかしメインはやはりアクースティック・ヴァイオリンでアルバム「ON THE WINGS OF MUSIC」からの5曲を1時間程かけてプレイしてくれ、そのどの曲を聴いてもクラシックに裏打ちされた確かな気品のある、流れるような美しい音色を響かせていた。
 このアルバムでポンティは、自分のバック・バンドとしてのミュージシャンより自分と共に演奏してくれるミュージシャンを選んだというだけあって、バンドのメムバー全員が対等な立場でそれぞれのパートを楽しみながらプレイしているのが見ていても感じられ、良い雰囲気の中でショウは進められていった。
 バンドのメムバーは全員アメリカ人で、ポンティはそれぞれの出身地を言いながら紹介を始めた。キーボードを弾いているのはマハヴィシュヌで共にプレイしていたサンフランシスコ出身のウォルフ、ベイスはザッパで一緒だったソルトレイク・シティ出身のフォウラー、ミルウォーキー出身のギタリスト、ステューマーはこの後ジェネシスのツアー・ギタリストとして、又フィル・コリンズ等メムバーそれぞれのソロ・アルバムで演奏したりしていて、ジェネシスには無くてはならない存在になっている。ドラムスはフィラデルフィア出身のファリントンだ。
 ポンティはこの後80年代に入るとヴァイオリンよりシンセサイザーやシーケンサーなどで演奏する事が多くなり、アラン・ホールズワース(ソフト・マシーン、ゴング、ブラッフォード等)と共演したアルバムを録音したり、又90年代に入ると今度はアフリカン・ミュージックに傾倒し、セネガルなどのミュージシャン等と活動している。
 ステファン・グラッペリから何事にも偏見を持たずヴァイオリンの可能性を広げていく事を学んだポンティは、今も新たな可能性に挑戦し続けている素晴らしいミュージシャンの一人だ。
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