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11月30日(日) バンコ/BANCO - ロンドン/ラウンドハウス 

ジァンニ・ノツェンツィ/Gianni Nocenzi   (piano, syhth.
ヴィットリオ・ノツェンツィ/Vittorio Nocenzi  (org., synth.
ピエール・ルイジ・カルデロニ/PierLuigi Calderoni (drms.
レナート・ダンジェロ/Renato D'Angelo  (bs., trp.
ロドルフォ・マルテッセ/Rodolfo Maltese  (gtr.
フランチェスコ・ジアコモ/Francesco Di Giacomo  (vo.

BANCO TICKET

 プログレッシヴ・ロックはイギリスよりイタリア/フランス/ヨーロッパの方が盛んな様で、カンタベリィ系ロック・バンドはフランスで、ジェネシスやヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイター等はイタリアで人気が高いのだが、当のイタリアン・ロックは殆どイギリスで紹介されていなかった。それがマンティコア・レイベル設立と同時にPFM、続いてバンコと契約を結び、ロンドンでレコーディングさせライヴも行い、音楽誌の評判も良かったのでバンコは5月に引き続き11月に再度渡英してコンサートを行った。
 この夜、ラウンドハウスのトリはブライン・ハワース/Bryan Howarth(バジャーやジョン・ケイル等本当に沢山のアルバムに参加、様々なギターでセッションを数多くこなしているギタリスト)で、その前にマイク・ヘロンズ・レピュテイション(マイク・ヘロンはインクレディブル・ストリング・バンドの中心メムバーで、このバンドはケルト/トラッド/ロックをミックスした不思議な、今で言うワールド・ミュージック的な音楽を演奏していたのだが、最近、再評価されバンドも再結成されたそうだ)が付き、そのまた前にバンコがプレイしていた。つまりは前前座だったのだが、バンコ目当てのオーディエンスも来ている様で、そこらでイタリア語が飛び交っていた。
 バンコはノツェンツィ兄弟のダブル・キーボード群とジアコモのオペラティックなヴォーカルが紡ぎだす、いかにもイタリアっぽいシアトリカルなサウンドが特徴だ。彼等自身も「ミニ・オペラ」と言っている様に、ジアコモのテナー・ヴォイスはイギリス人には出せない奥深さと幅広さ、表現力を備えており、ロック・バンドで歌わすにはちょっともったいないかなとも思わせる程だ。曲の紹介等はこの人がしていたが、姿もでっぷりと貫録があり、オペラ歌手と紹介されても納得してしまう様な雰囲気を持っていて、しかしやはり英語は少し苦手らしく途中からイタリア語で話し始めた。曲にしても英語で歌うと発音とかに気を取られてしまうのか、表現力が少し薄っぺらくなってしまう様に思われる。「次はイタリア語で歌います。」と言った途端、オーディエンスから歓声が上がったので皆もそう感じていたに違いない。
 彼等は、シンセサイザーで風の音とか擬音を作りだし、それにピッコロやオーボエ、クラリネット等を加えながらオペラティックなサウンドに仕上げていくのだが、ステイジ上でアップライト・ピアノを弾くバンドは初めて見た。キーボードのジァンニとヴィットリオのノツェンツィ兄弟は共にローマのサンタ・セシリア音楽学校を卒業しているのだが、「テクニックに走る演奏は嫌いだ。」と言っている。「リック・ウェイクマンの音楽はテクニックをひけらかしているだけだ。音楽にはエモーショナルな部分が必要だ。その点キース・エマースンの演奏にはテクニックと同時に感情表現が素晴らしく巧みに組み合わされている。音楽において最も重要な事は、感動を創造するという事だ。」と作曲を手掛けているオルガニストのヴィットリオがインタヴューで話している通り、バンコの音楽は20分程の長さの中にシンセサイザーやピアノでドラマティックに盛り上げるクライマックス部分が何度か在り、ジアコモの朗々とオペラティックに歌い上げるヴォーカルと相まって一幕の舞台を見た様な気分になってしまうのも確かだ。
 イギリスではイタリアン・プログレッシヴ・バンドの代表としてPFMの方が先に紹介されたし、彼等のイギリス版デビューアルバム「幻の映像」で英詩をクリムズンのピート・シンフィールドが担当した事もあって人気が高いのだが、彼等も5月、イギリスでツアーを行っていた。
 5月25日(日)、ロンドン/ヴィクトリア・パラスでPFMのコンサートがあったので聴きに行った。
 が、それ程印象に残って居ないのはやはり曲に飛び抜けた特徴が無いせいなのだろうか…?確かにバンドの演奏テクニックは凄い。曲もプログレッシヴ・バンドの王道を行くクラシック・ベイスの華やかなものが多い。コンサート自体は満足のいくものであったにも関わらず、なにか物足りない気がしたのだ。中心となるマウロ・パガーニはバロック風のブラウスにブリーチアウトのジーンズで見目も良くフルートを吹く姿などきれいだし(が、エキサイトしてくるととんでもないガニマタになって演奏するのでびっくりした!)ヴァイオリンでウイリアム・テルを弾いた時など殆ど弦が切れてしまうほど熱演し、あぁこれがPFMだ、とそこそこ感激していたのだがその感激が後を曳かないのだ。
 そしてこのバンコ。私自身がドラマティックな曲調が好きなせいなのかも知れないがPFMより印象が強い。バンコもPFMも音楽学校出がメムバーに多いので演奏は上手い。と言うことはヴォーカルに負うところが大きいのか…楽器演奏は技術を磨けばある程度の完成度は得られるが、ヴォーカルはヴォイスでのみ感情を表現しなければならないので声の良さに加え感情をどれだけヴォイスに込められるかでヴォーカリストの上手い下手が別れてしまう。このジアコモさんはオペラの本場イタリアで育っただけにそのオペラティックな表現力には正に脱帽だ。
 さて、 PFM、バンコ共既に来日しているので生の演奏に接し感激したオーディエンスも多いと思う。PFMは2002年の暮、2枚組CD「ライヴ・イン・ジャパン」をリリースするらしい。
  PFM、バンコ、共にこれからも活躍して欲しいバンドだ。
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11月21日(金) キャメル/CAMEL - ロンドン/ウォルサムストウ(NELP) 

アンドリュ-・ラティマ-/Andrew Latimar (vo., gtr.
ダグ・ファ-ガスン/Doug Ferguson (bs.
アンディ・ウォード/Andy Ward  (drms.
ピ-タ-・バーデンス/Peter Bardens (kybds.、vo.

 ロイヤル・アルバート・ホール・コンサートが終わって次にロンドン近郊へ戻って来るのはウォルサムストウ。地下鉄ヴィクトリア・ラインで約20分、NELP(NORTH EAST LONDON POLYTECHNIC)でのカレッジ・コンサートだ。
 今夜はバーデンスがいつも使っていたフリーマンのストリング・シンフォナイザーがソリーナに代わっている。こちらの方が派手な音が出る様だ。
 彼等はいつも通りの曲をいつも通りに演奏してくれたのだが、アンコールの「ゴッズ・オブ・ライト」をプレイし始めた途端、ハモンドのパワーアンプが切れた。この曲はハモンドオルガンのイムプロヴァイゼイションが聴かせ所なのに、どうするバーデンス?!と思ったら直ぐラティマーがレスポールでリードを引き継ぎ、そのままギターでのイムプロヴァイゼイションへと移っていって、それにハモンドを諦めたバーデンスがエレクトリック・ピアノでソロを加えていった。やるね、キャメル!彼等は毎回なにかしらトラブルを起こすが、その度にレコードでは聴けないプレイをとっさにしてくれるのでそれはそれでおもしろい。曲も終わりにさしかかった頃やっとハモンドが直り、2曲目の「レディ・ファンタジー」はいつも通り無事演奏された。

Latimar Walthamstow

Bardens Walthamstow

11月20日(木) ジョン・ケイル/John Cale - ロンドン/ニュー・ヴィクトリア 

ジョン・ケイル/John Cale (vo., gtr., viola)
クリス・スペディング/Chris Spedding (gtr.
パット・ドナルドスン/Pat Donaldson (bs.
ティミ・ドナルド/Timi Donald (drms.
クリス・トーマス/Chris Thomas (kybds.

johnCale ticket

 春に「スロウ・ダズル」をリリースしたばかりのケイルが11月には「トロイのヘレン」を発売し、それに合わせてツアーを行った。
 イーノこそ居ないがバンドは前回と同じメムバーで、バンドとしてもまとまってきている様だ。今回は強姦シーンは無かったけど、それでもケイルはフェンシング・スーツにマスクを付けた異様な姿のまま演奏を始め、マスクを取っても、次はゴーグルをかけたままでピアノに向かい、次は包帯を巻き付けたミイラ男のままでフライングVギターを弾くというやっぱりエキセントリックなショウだった。
曲自体はそれ程変わった音楽じゃ無いんだけどなぁ。

john cale1

john cale

11月15日(土) ゴング/GONG ロンドン/イムペリアル・コレッジ 

ディディエ・マレーブ/Didier Malherbe (sax, fl.
ピエール・ムーラン/Pierre Moerlen  (drms.
スティーヴ・ヒレッジ/Steve Hillage (gtr.
マイク・ハウレット/ Mike Howlett  (bs., vo.
ミレイユ・ボウ/Mireille Bauer  (percussion
パトリス・リモーニュ/Patrice Lemoine (kybds.
ミケット・ジラウディ/Miquette Giraudy (dancer, kybds,

GONG ticket 15/11

 ゴング教にはまった訳では無いのだが、前回と違い今夜はカレッジでのショウなので友達と連れ立って来てみた。
 マーキーとは曲が変わっているがまたしても太いベイスのリフの繰り返し、浮遊するギター・サウンド、そして呪文…イアオ~ザイ~ザオ~マイ~マオ~タイ~タオ…私はタバコが吸えないので判らなかったのだが経験の有る友達によると、会場に入った途端グラス特有の甘い香りが充満していたそうだ。そしてこの呪術的な音楽が流れればトランス状態に入って行く人もいるようで、実際あっちでフラフラ、こっちでヨロヨロとステイジに上がろうとする人が居る。しかし警備をしているバウンサー達は判っているのか彼等を容赦なくステイジから蹴り落とし、それでも又フラフラとステイジに登り始め又落とされて、と異様な光景が続く。
普通ロック・コンサートで警備を担当しているバウンサー達はファンがステイジに上がるとしっかり抱きかかえてそのままステイジの隅に連れて行き客席へ戻すのだが、相手が「はっぱ」でハイになっている人達、お酒で酔っぱらっている人達の扱いはとても乱暴だ。彼等も何をしているのか何をされているのかは全く分かっていないのだから。

S.Hillage

 さて、マーキーでは居なかったキーボードさんが今日は居る。ディヴィッド・アレンが「フランスで最高のオルガニスト」と云ったパトリス・リモーニュだ。成る程マーキーよりぐんと音に厚みが増している。ムーランのドラムソロが延々と続き、マレーブはソプラノ~バリトンとサックスを次々代えながらピッコロなども吹き出したり、ヒレッジはトレードマークの毛糸の帽子をかぶって木目模様のストラトを抱え込んだままドラム台に座りこんでいる。ストロボ照明もたかれ、まるで一昔前のサイケデリク・コンサートに来ている様だ。こんな調子でショウは1時間半程続いた。会場では日本人の姿も多さん見受けられた。やはりゴングは日本人の間でも人気が有るんだ。 それにしてもこのサウンド、グラスをしている人達にとってはどのように聞こえているのだろうか?ハイになる為のバックグラウンド・ミュージックとして最適なのだろうか?

GONG drummer

 ピンク・フロイドもドラッグミュージックとして有名だけど、リズム楽器が単調なリフを繰り返してそれが延々と続いているのを聴いているとシラフでいてもなにかしらトランス状態に入りそうな雰囲気に陥ってしまう。アフリカン・ドラムも?お寺の木魚も?あ、これは眠気を誘うだけか…
 スティーヴ・ヒレッジはこの年の末、自分のソロ活動に専念したいとの理由でゴングを脱退している。

11月9日(日) ジャンーリュック・ポンティ/JEAN-LUC PONTY - ロンドン/ラウンド・ハウス 

ジャンーリュック・ポンティ/Jean-Luc Ponty (vi., kybds.
ダリル・ステューマー/Daryl Stuermer  (gtr.
トム・フォウラー/Tom Fowler   (bs. , gtr.
ノーマン・フェリントン/ Norman Fearrington (drms.
マイク・ウォルフ/Mike Wolf  (kybds.

Ticket JLPonty

 この日のトリはハードロック・バンドのエドガー・ブロウトン・バンドだが、その前にジャンーリュック・ポンティが出るので、彼の演奏を目当てに聴きに行った。
 ジャンーリュック・ポンティは、ロック・ファンには、フランク・ザッパやマハヴィシュヌ・オーケストラのヴァイオリニストとして名が知れていると思うが、元々はパリでクラシック・ヴァイオリンの教育を受けてオーケストラで演奏していた人だ。その後ジャズに興味を持ち、渡米してからは独自のフリージャズ・バンドを作ったりフランク・ザッパやマハヴィシュヌ・オーケストラで演奏したりと、中々興味深い経歴を持っている。この年の始めにマハヴィシュヌ・オーケストラを辞めてからはソロ・アルバムを録音していて、今夜のライヴはそのアルバムをフィーチャーしているはずだ。
 42年生まれというから、この年33才になるはずだが、つぎはぎのオーバーオール・ジーンズがとても良く似合っているインテリジェンス漂うハンサムなお兄さんだ。ロック・バンドを従えて、彼のヴァイオリンは流れるようにイムプロヴァイズしていく。曲によっては少々やり過ぎと思われる程、足下のワウワウ・ペダルやエコープレックス・マシンを多用しているのだが、それでも気品のある音は保たれているのは流石だ。
 ジャズ・ヴァイオリンで有名なのはステファン・グラッペリだが、彼の演奏は長年共演していたジプシー・ギタリストのジャンゴ・ラインハルトの影響を受けたジプシー・ヴァイオリンといった方が判り易い程、ジャズから映画音楽、果ては民族音楽までを自在に取り込んだとても楽しいチューンを創りだしていた。97年末、89才で亡くなるまで、様々なミュージシャンに影響を与え、精力的に演奏活動をしていたが、ポンティもずっと憧れていた彼と共演したアルバムを数枚残している。また、しばらくソフト・マシーンでプレイし、今はジャズ・ギタリストとして活躍しているジョン・エサリッジも、ソフト・マシーン在籍中からグラッペリのツアー等に参加し、アルバムも数枚録音しており、彼の死後、グラッペリに捧げるアルバムまで制作している。
 グラッペリがなんの偏見も無く総ての音楽を吸収し独自の音楽を編み出したように、ポンティも狭い枠に捕らわれずに色々な事に挑戦しているミュージシャンだ。この日もヴァィオレクトラという5弦の新しいエレクトリック・ヴァイオリンを曲によって弾き分けていた。この楽器はヴァイオリンからチェロまで幅広い音が出せるそうなのだが、チューニングが難しいらしく使っている人はまだ数人しか居ない様で、ポンティでさえかなり慎重にチューニングを繰り返してから演奏に入っていった。しかしメインはやはりアクースティック・ヴァイオリンでアルバム「ON THE WINGS OF MUSIC」からの5曲を1時間程かけてプレイしてくれ、そのどの曲を聴いてもクラシックに裏打ちされた確かな気品のある、流れるような美しい音色を響かせていた。
 このアルバムでポンティは、自分のバック・バンドとしてのミュージシャンより自分と共に演奏してくれるミュージシャンを選んだというだけあって、バンドのメムバー全員が対等な立場でそれぞれのパートを楽しみながらプレイしているのが見ていても感じられ、良い雰囲気の中でショウは進められていった。
 バンドのメムバーは全員アメリカ人で、ポンティはそれぞれの出身地を言いながら紹介を始めた。キーボードを弾いているのはマハヴィシュヌで共にプレイしていたサンフランシスコ出身のウォルフ、ベイスはザッパで一緒だったソルトレイク・シティ出身のフォウラー、ミルウォーキー出身のギタリスト、ステューマーはこの後ジェネシスのツアー・ギタリストとして、又フィル・コリンズ等メムバーそれぞれのソロ・アルバムで演奏したりしていて、ジェネシスには無くてはならない存在になっている。ドラムスはフィラデルフィア出身のファリントンだ。
 ポンティはこの後80年代に入るとヴァイオリンよりシンセサイザーやシーケンサーなどで演奏する事が多くなり、アラン・ホールズワース(ソフト・マシーン、ゴング、ブラッフォード等)と共演したアルバムを録音したり、又90年代に入ると今度はアフリカン・ミュージックに傾倒し、セネガルなどのミュージシャン等と活動している。
 ステファン・グラッペリから何事にも偏見を持たずヴァイオリンの可能性を広げていく事を学んだポンティは、今も新たな可能性に挑戦し続けている素晴らしいミュージシャンの一人だ。
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